白と黒【平日投稿2日目】
【白と黒】
これは正しい、これは悪い。またはここからここまでは正しいが。この先は間違い。
線引き、境界線。
私は質疑応答において結構な頻度でこの手の質問をしてしまう。
「どこまでやってもいいですか?(どこに境界線を引きますか)」といったものである。
これに対して、経験上2パターンの返答がある。
「言ったことだけやっていればいいよ」
「どこまででもやっていいよ」
前者は明らかに思考と行動に制限を引いている。言われた方は確かにやることは明確で思考停止で「作業」として仕事ができる。
後者は一見無関心な反応のように見えることもあったが、これは制限を強いていない。それだけに受け手としては頭を使う。
「絶対的な正解はないし、私のやり方が最善とも限らない」、そんな前提に立っているのではないだろうか。
〇×思考は人間が勝手に決めたものではなかろうか。
学問としては易の考え方がある。白と黒の勾玉が上下反転して丸を描く易のマークは目にした人も多いはずである。
陰と陽。2つの異なるものが溶け合っている様を可視化しているかのような。そんな印象を受けた。
また中庸という考え方もある。
始めは「中途半端じゃないのか」と考えたこともあったが、今は違うと解釈している。正反対の概念、2つの極を統合したもの、であると。例えば勇気。勇気には無謀と臆病の相対する概念を含んだ上位概念であるが、臆病は懸念されがちである。臆病じゃだめだ…。そう思って臆病な自分を隠したり、見ないようにしたり、過剰なもので取り繕ったりする。だが中庸を知った今では臆病も喜んで取り入れるようにしている。そんなとき無謀も伸ばしていくと、無謀は無謀じゃなく勇気に変わっていく…。そんな風に考えている。
弱さを知ればこそ、強くなれる。
弱さに直面する場面こそが人を一番成長させてくれる。
世間が忌み嫌うこと、普通とは反対方向の道が、実は成功への唯一の道だったりする。
そんな避けようとされる苦難、そのものに対して喜べる心のあり方を自身の指針にしたいものですね。