聴く力【平日投稿17日目】

本日は金沢市長の山野市長のお話しを聴きに行って来ました。

 

その中で印象的なテーマ。

「聴く力」。

 

市長として人前でスピーチをする機会が少なくない中でよく聴かれる質問があるそうです。

「どうしたらあなたのようにスピーチがうまくなりますか?」

いわゆるスピーチのコツを聴かれるそうです。

それに対する市長の応えが、

 

「人の話しを聴く力をつける」

 

これしか知らないし、これしかないと思っている。

とおっしゃった。

 

話すという発信行為であるスピーチのコツが、聴くという受信行為を伸ばすこと。

一見逆説的であるが、これは経験からそう言えると言う。

 

市長が、

「誰が、どんな内容を話したか覚えてはいない」がずっと印象に残っている人がいると言う。

その方は懇親会の場で司会に名を呼ばれ、スピーチの為に壇上に上がる。

しかし懇親会ということもあり、周りは席につかずがやがやとしている。

そのときの彼の行為。

 

立ったまま一言も話さない

 

次第に、周りは何事かと思い、座り始める。

全員が静かに座り終わったとき、開口一言。

 

「皆様のその行為が普段の仕事の中で出ているのではないでしょうか」

 

周りの方々はぐさり。

その後の話しを真剣に聴いていたという。

 

そしてもう一つのエピソード。

同じようなシチュエーションで市長は一人、スピーチする人の話しを真剣に聴いていた。

話し終わった後、登壇者が近寄りこう言った。

 

「真剣に聴いてくれている市長に聴いてもらおうと思って話しました」

 

2つの実体験であるが、

前者は話し手が聴き手の心を「聴く」ことによって、伝わるスピーチを生み出している。

後者は聴き手として真剣に「聴く」ことによって、後に話し手に伝わるスピーチを生み出している。

 

視点は違えどどちらも「聴く」という行為が伝わるスピーチのきっかけになっている。

 

相手が聴きたいと思う状態を創ることで話すことが伝わるし、

自分が聴くことで相手も聴いてくれる為伝わる。

 

当たり前に思えるような、

そんな振り子のような原理。

 

意外とできていないことに気づくのではないでしょうか。